「THE IDOLM@STER」(以下、アイマス)のMRライブは、従来の声優によるコンサートやイベントに比べて、よりアニメやゲームの世界観に没頭しやすいということでファンの間では好評なようです。
今回は、アイマスMRライブなどMRやAR技術を使った最新ライブ事情を紹介します。
目次
もともとの世界観を崩さないで!
声優たちが参加したアニメーション作品から世界観を生かしたライブ活動が主流で、それにより配役も容姿も求められる傾向が生まれました。
いわゆる、スクール・アイドルグループ「μ’s」、765PRO ALLSTARSの声優陣のような、生身の人間が演じる2.5次元のライブイベントですね。
確かに声優はかわいいし、キャラクターのイメージにピッタリだけど、もっともっとアニメやゲームの世界観に没頭したいし、『あの子に現実で会いたい!』と感じていたところがあったはずです。
声優の姿にキャラクターが重なって見えるよりも、やっぱり本物がいいですもんね。
そんな、声優がメインなのか、キャラがメインなのか微妙だったライブ交流に、純粋に2次元キャラと交流できるようになってきたのが、アイマスMRライブなどで使われてる仮想映像と現実世界を密接に融合する複合現実(MR)、拡張現実(AR)などの技術です。
MRとVR、ARの違い
MR、VR、ARの違いを簡単に紹介します。
- VR(Virtual Reality:仮想現実)
- 映像の世界(仮想現実)に実際に入り込んだかのような体験ができる技術。自分がアニメやゲームの世界に入っていけるので、自宅から一歩も出ずにライブに参加できる。
- AR(Augmented Reality:拡張現実)
- 現実の世界に仮想の世界を重ねて「拡張」する技術。現実のステージにキャラクターを出現させるが、キャラクターに近づくことはできない。
- MR(Mixed Reality:複合現実)
- ARをさらに発展させたのがMR技術。キャラクターの後ろ側に回り込んだり、近づいて自由な角度から見られたり、より生のキャラクターに近い姿を感じることができる。
現実と架空の間を埋める演出へ
お気に入りのキャラクターと一緒に歌ったり、踊ったり、会話をしたり、最新技術を使い本物のコンサートのように楽しめるようになってきた事例を紹介します。
声優に頼るのではなく、アニメやゲームの世界観(コンテンツの力)から生まれた個性あふれるキャラクターがアイドルのように歌い、観客に話しかけ、まるで現実の延長のなかに存在するような演出ばかりです。
アイマスのあの子に現実で会える!
バンダイナムコエンターテインメントは、人気ゲーム「アイマス」のキャラクターを生かしたアイドルイベントを展開しています。
アイマスはVRライブも行ってきましたが、MRライブでは、特殊な透明スクリーンを使い、キャラクターがあたかもアニメやゲームから現実世界へ飛び出してきたような演出になりました。
キャラクターが本物のアイドルさながらに観客の「回って」の声がけに応え、キャラクターが舞台上で回って見せるなど、キャラクターが踊ったり、歌ったりすることで、2次元キャラと臨場感あふれるライブになっています。
もちろん、客席と双方向のコミュニケーションを交えながら進行するトークパートもあるので、より生のキャラクターに近い姿を感じることができます。
ARイケメンダンスボーカルグループ『ARP』
エイベックスとゲーム開発会社ユークスは、AR技術を使ってARイケメンダンスボーカルグループ『ARP』を展開しています。
2次元の男性アイドルの動きを、声優とダンサーらが手分けして担当しているので、高いレベルのパフォーマンスが魅力です。
Vチューバー『輝夜月(カグヤルナ)』
ソニー・ミュージックレーベルズとVRサービスのクラスターは、輝夜月を展開。VRライブ「輝夜月LIVE@Zepp VR」などを行っています。
Youtubeで人気のキャラクターだったのもあり、5000円(税別)のチケットはすぐに完売したようです。
VRアイドルグループ『えのぐ』
ユニバーサルミュージックと岩本町芸能社は、アイドルユニット「えのぐ」を展開しています。
あくまで仮想空間が舞台で、VR端末を使いコンサートを鑑賞する方法をとっています。観客が振ったライトに反応したりするなど、本物のコンサートのような演出が魅力です。
2018年11月28日のメジャーデビューし、世界初のVR握手会でファンとの距離を縮める試みも始めるようですよ。
まとめ
アイマス・ARPなどはあくまでキャラクターがありきで、声優はキャラクターに憑依している存在にすぎません。
人気声優を生み出しているのは、『ラブライブ!』や『けものフレンズ』のように、声優が前面に出てくるようなアニメなのです。