声優の仕事というと、どんなものを思い浮かべるでしょうか？

アニメや映画の吹き替えが真っ先に思いつくイメージかもしれませんが、その他にもナレーションやゲームなど色々なお仕事があります。仕事の内容によってギャラは異なりますが、どれも声優としては重要な仕事。どのような形で依頼がくるのか、仕事をもらうためにはどんなことが大切かなど、声優を目指している人でも意外と知らないことも多い点について紹介します。

目次

多岐に渡る声優のお仕事

声優は、以前は名前の通り声に関する仕事をこなす職業でした。ですが近頃は、声のお仕事にプラスしてアイドルや歌手、舞台俳優など様々な分野へ活動の場を拡げていく人も多いですよね。

基本となるお仕事は大まかに分けるとCMや企業・店頭で流れるナレーション、アニメや映画の吹き替え、ゲームのキャラクターボイスなどです。ギャラの高さで言うとCMのナレーションやゲームのキャラクターボイスなどが高めで、アニメや企業・店頭でのナレーションは比較的安いのが一般的です。

アニメやゲームのキャラクターのお仕事には、付随して歌を歌ったりイベントやラジオに出演したりといった要素も含まれます。アニメなどのキャラクターを演じるのはいかにも声優らしいお仕事に感じますが、その内容も昔とは随分変化しているのです。

仕事の依頼はどのようにくるのか

声優としてのお仕事の依頼は、最初から指名してもらえる場合とオーディションを通じて選ばれる場合に分かれます。

これまでにある程度プロの声優としての経験と実績があれば、先方からオファーされることもあり得ます。ですが、新人声優はまだ一般のファンはもちろん業界でも名前が知られていない存在。当然のことではありますが、このようにオファーがくることはほとんどありません。

新人のうちは、所属している事務所にまず連絡がきて、それからオーディションに参加するという流れが一番多いものでしょう。

事務所に依頼が来る場合、ほとんどのケースで事務所にはどういった声優が希望か伝えられています。そのオーディションに参加するよう事務所に指示されたということは、比較的希望されている声優像に近いということのはず。自分には向いていないかも、と感じることもあるかもしれませんが、積極的に参加して頑張ってみましょう。そのオーディションでは残念ながら不合格となってしまっても、スタッフに顔を覚えてもらえれば後々別のお仕事につながる可能性もあるのです。

顔見知りは多ければ多いほど仕事につながりやすい！

オーディションや先方からのオファーに加えて、業界の中でのコネクションも仕事の依頼を受けるためには重要な要素です。

どんな業界でも同じかもしれませんが、声優業界でもコネや面識というものはとても大切です。特に声優の世界はその他の芸能界などと比べるとやはり狭いので、思わぬところで人間関係がつながっていることもよくあるようです。例えば次の仕事にどんな声優が必要か、どんな声優を探しているか……こんなことを、仕事に直接関係ない場で雑談のひとつのように話し合うこともあるんですね。

そういった「公の場以外での声優探し」でも名前を出してもらえるようになるには、できるだけ顔が広く知り合いが多い方が有利です。もちろん声優として多く仕事をこなしていけば自然と知名度も上がりますが、知り合いを増やす努力、周囲の人たちからの評価を上げる努力は新人で仕事が少ないうちでもできますよね。

こういった努力は仕事の依頼を増やすだけではなく仕事そのものの幅を拡げるためにも有効で、普段は舞台俳優として活動しているけれど知人の紹介で声優のお仕事もするようになる人も多いですし、またその逆で声優から舞台俳優として活躍するようになる人もたくさんいます。お仕事そのものを増やすためにも、そして自分が活動する場を拡げていくためにも、コネクションはたくさん持っておくべきなのです。

次につながるような仕事をするという心掛けが大切

プロデューサー、そして音響監督のような現場のスタッフたちは、仕事中にも「この声優は信頼できるかどうか」ということを常に見ています。

ですから、ひとつひとつの仕事を丁寧にこなしていくことが、次の依頼をもらうためにはとても重要です。自分のやりたい仕事ではないこともあるかもしれませんし、仕事によってギャラも変わりますから、モチベーションが保ちにくいときもあるでしょう。それでも「この仕事がいつか自分のやりたいことにつながる」と信じて頑張ってみましょう。

声優なら誰でも演じる上での自分の得意分野というものがあるかと思いますが、時にはそこから外れた指示をもらうこともあります。そういったある種の無茶振りにも対応できれば、スタッフたちからの信頼を獲得でき、今後の仕事にもつながっていくはずです。「一度一緒に仕事をしたことがある声優」というだけの印象ではなく、「安心して仕事を任せられる声優」という評価を残すことが大事なのです。

もちろん、良い印象を持ってもらうためにはそれに見合うだけの努力と実力が必要になります。声優としての技術や実力を磨くことは大前提として、その上で仕事に有利な人間関係を構築するための努力もしていく……これが継続して仕事の依頼を受けていくために必要なことといえるでしょう。