ネットで声優募集情報に接する際は、いくつかの注意点を踏まえることが肝心です。

目次

オーディション商法の例

オーディション商法と呼ばれる手口はその代表的なもので、特に注意した方が良い募集といえます。

所属オーディション

良くありがちなのは、事務所の所属オーディションを謳いながら、実は養成所の入所が勧められるタイプです。

建前上は事務所の所属になれますが、売り出し費用の名目で宣伝費が請求されるのが特徴です。最終的には収入が得られるようになるどころか、声優の仕事が得られず損をする結果に繋がります。

仮に解約を申し出ても、違約金として高額な金銭が請求されるケースがあります。

過去の事例では数百万円の被害が発生しています。例え、魅力的な条件だとしても、怪しい情報には近付かないのが基本です。もし途中でオーディション商法に気が付いたら、決して契約の書類にはサインをしないことが重要です。

作品オーディション

声優の募集では、事務所所属以外にも作品オーディション商法があります。

具体的にはCDデビューやドラマCD、あるいはスマートフォンアプリの出演を謳いながらも、結局養成所入りが条件となるパターンです。

強く入所が勧められますから、気の弱い人は押しに負けてしまい、最後まで断り切れないというケースも発生します。入所を決めてしまえば、作品に販売ノルマが課せられた上で、CDの買取を強要される結末にも至ります。

CDが売れなければ間違いなく赤字ですし、売れても以降の活動が保証されるとは限りません。場合によっては無理難題が押し付けられ、借金だけが残るケースもあり得ます。

一方では有料のワークショップに参加させられ、お金が取られてしまう被害も発生しています。

アイドル声優オーディション

アイドル声優の募集においては、ライブの際に多額のチケット販売ノルマが課せられることもあります。

年間に50万円という例も存在しますから、このようなオーディション商法に直面すると、被害の発生や拡大が免れなくなります。

これらは時に違法スレスレのグレーゾーンで、悪質な場合は業務停止命令が下されるほどです。

オーディション商法に巻き込まれないようにするには

安易に契約したりトラブルに巻き込まれると厄介ですから、うまい話には注意して、近寄るかどうかを判断することが大切です。伝えられた住所に実態のない事務所、連絡先が携帯電話の番号のみなどは明らかに怪しいです。

こういったパターンはお金が目的で、応募者に支払わせて姿を隠すケースもあります。

明らかな詐欺行為は罪に問えるものの、相手の実態や証拠が掴みにくいので、泣き寝入りする人が少なくないのが実情です。そこまで悪質ではなくとも、最初に数万円から数十万円の支払いが求められるなら、声優志望を募集で釣るオーディション商法の疑いが濃厚になります。

大まかな流れとしては形だけのオーディションを行い、合格を告げて気が緩んだ所に漬け込む手口です。登録やレッスン料を求められますが、本人にはチャンスを無為にしたくないという意識が働き、結果としてお金を支払ってしまいます。数万円から10万円位なら現実的に払える金額なので、登録料の名目で請求される傾向です。それで金額に見合うリターンがあればまだ良いですが、実際は本気でサポートされず、後々時間が経って騙されたと気が付くことになります。

事例次第では徐々にエスカレートして、数万円が10万円に上がり、段階的に数十万円まで繰り返し請求されることもあります。

SNSで個別にDMが送られてくるケースは、街中で募集のスカウトをされるのと同じくらいに要注意です。

思い掛けないスカウトは気持ちに隙が生まれやすく、後々付け入る余地を相手に与えてしまいます。有名事務所の名前を挙げて、そこに関連する人物だと自己紹介されれば、多くの人は信じたり騙されやすくなるでしょう。

声優は華やかで魅力的な職業ですから、案外簡単に騙されてしまう人がいても不思議ではありません。

大切なのは自分も被害に遭う可能性があると考え、甘い誘いには疑って掛かることです。

オーディションを受ける場合は、前もって何処の事務所が開催するのかを調べ、安全性を篩(ふるい)に掛けておくことをおすすめします。

そうすることでリスクが減らせますし、致命的な被害に遭う前に回避できる可能性が高まります。しつこく勧誘してくる相手は特に、その裏でオーディション商法を企んでいる恐れが潜みます。オーディション会場に足を運べば相手の思う壺ですから、予め念入り過ぎる位に下調べした方が安全です。

参加を希望して会場が告げられる前に参加費が請求されるなら、それはどう考えても怪しい相手です。

これがネットで行われるとなれば、怪しさは濃厚となってリスクが増大します。

しかし、あからさまな手口ばかりとは限らないので、疑いようのない相手ほど、相手に対する注意力が問われます。

オーディションは本来、レッスンなどとは別物ですから、費用が発生したり請求されることはないはずです。料金が発生する可能性がある場合は、事前の告知が義務付けられているので、告知がなければこちらから問い合わせて言質(げんち)を取るのが無難です。

逆に主催者側は正確かつ多くの情報を開示して、不必要に疑われないよう注意することが求められます。

未経験OKの声優オーディションとはどんなもの?

オーディション商法にひっかかった場合の相談先

喉から手が出るほど欲しい出演実績”を餌に、手を替え品を替えカモラフラージュしてきます。

もし、少しでも疑念が湧いたら『(消費者ホットライン:188)』へかけてください。一番近い消費生活センター相談窓口を案内してくれますよ。

詳しくは、独立行政法人国民生活センターへ