声優のスキルを学べるところは、『専門学校』、『養成所』、『スクール(教室を含む)』の3つに分類できます。
共通するのは、プロの声優として求められるスキルを学ぶこと。
ここでは専門学校・養成所・スクールの見分け方、運営形態で違うメリット・デメリットを紹介します。
目次
学校は専門学校だけ!
日本国内で『学校』とは、学校教育法が定める正規の学校のみです。
【学校教育法】
第一条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。第二条 学校は、国(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人及び独立行政法人国立高等専門学校機構を含む。以下同じ。)、地方公共団体(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人(以下「公立大学法人」という。)を含む。次項及び第百二十七条において同じ。)及び私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人(以下「学校法人」という。)のみが、これを設置することができる
第三条 学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。
引用:http://www.kyoto-u.ac.jp/uni_int/kitei/reiki_honbun/w002RG00000944.html
学校は英語でスクール(school)ですが、スクールが良く表記するような『声優専門の学校』、『声優の学校』は、誤解を受けやすい表記をしているということです。
専門学校・養成所・スクール/教室の見分け方
じゃあ、なにが違ってくるのか、詳しく紹介していきますね。
専門学校について
専門学校とは、国の基準を満たし、都道府県知事から認可を受けた認可校のこと。
専門学校で2年以上、総授業時間数を1700時間以上を修了すると、専門士としての学位授与されます。
カリキュラムはぎっしり詰まっていますので、演技未経験者にとっては嬉しいことが多いでしょう。
卒業後、自分で事務所オーディションを受けに行くだけでなく。専門学校主催の校内オーディションからも目指せるところが多い。校内オーディションで、オーディション協力企業から声をかけてもらえれば、声優プロダクションからデビューですね。
声優プロダクションは、大小さまざまな協力企業が参加します。
専門学校は、声優プロダクションにはこだわりがない方には向いているといえるでしょう。
メリット
- 教育がシステム化しているので、初心者に教えるのが上手。
- 2年間落ち着いて、演技力を磨くことができる。
- 卒業時、大小さまざまな事務所のオーディションを受けられる。
デメリット
- 週5日、朝から夕方まで授業なので、高校・大学などと似た雰囲気になり、気が緩みやすい。
- 年間学費は、100万円~150万円と高い。
- プロとしての素材の評価は、2年後。
スクール/教室について
スクール/教室は、法律上「学校」と称すことができない無認可校のこと。
スクールは、教育目的のみで、開設しているところです。受験のために通う、予備校と同じですね。
夜間コースがあったり、カリキュラムも自分で決められたりと、大学とのWスクールや社会人として働きながらでも通いやすいところも多いです。
スクールの規模によっては、校内オーディションも開催されますが、一般公募オーディション狙い、意中の養成所の入所オーディション対策などに使うと良いでしょう。
教育レベルには、ピンからキリまであるのが、声優スクール/教室の特徴です。
ガッツリ学習することもできれば、安い金額で初歩の初歩から始めることもできる上、いろんな学校が夜間コースとして実施しているところもあります。このため、どのスクールに通うにせよ、よく自分の希望にあったところに行くのが大事なことになるでしょう。
中には声優本人が私塾として開いているところもあり、少数で親身にフォローしてくれるスクールもあります。
メリット
- 教育がシステム化しているので、初心者に教えるのが上手。
- 基本、いつでも始められる。
- 短期集中で、レッスンを受けられたりする。
デメリット
- レッスン内容にバラつきがある。
- 業界事情に疎い可能性もある。
- 結果にコミットしていない上、素材の評価もされない。どこまで続けるか、自分次第。
- 学割は使えない。
養成所について
養成所は、事務所が直接運営している育成機関のこと。
在所中から、即デビューのチャンスが転がっています。
大学との並行受講や働きながら通いやすい養成所もあれば、週5日でみっちり鍛えられる養成所もあります。
もし自分にこの事務所しかないという覚悟があるのなら、専門学校やスクールなどに行かず、すぐに養成所入りした方が良いでしょう。
専門学校・スクールなどで腕を磨いてきた人たちと争い、血眼で頑張る必要はあります。
初心者の方でも養成所に入ってから演技力を磨き、事務所所属となった方は多いです。ホント、覚悟次第です。
メリット
- 在所中から、デビューのチャンスがある
- 雰囲気がプロの現場に近い
- 努力で身につかない「将来性」や「光るもの」を厳しく評価される
デメリット
- 関連事務所の所属審査しか受けられない
- 在所期間に制限がある
- 自主性を求められる
- 学割は使えない。
劇団から声優に転向する人もいるので、声優を志望される方向けに、声の仕事でよくみかける有名劇団の俳優養成所を中心にご紹介しておきます。
まとめ
運営形態により、『専門学校』、『養成所』、『スクール』の3つに分類できることを紹介しました。
大手プロダクションに所属するには、養成所を経ないといけないような感じになっています。どこからプロの声優を目指すのかは、現在のスキルと覚悟次第でしょう。
現時点で『絶対この事務所に入りたい!』という希望がないのであれば、無理に付属養成所を目指さなくても大丈夫です。
大小さまざまな声優事務所の目に留まるチャンスがある専門学校やスクールで学んでも、大手事務所への道はゼロではありませんので安心してください。
最後に伝えたいことがあります。
プロの声優になれるのは、選ばれたわずかな人だけです。
『声優学校へ行くな!』、『スクールは闇云々』、『養成所なんて』とアジる、煽る、叫んで、建設的な提案もない人は、公式HP上の甘い言葉だけを信じて入学し、『学校に何かをしてもらおう!』でも『学校は何もしてくれなかった!』という人たちです。
3つの運営形態には、それぞれメリット・デメリットは必ず存在するので、まずあなたが選ぶ基準を明確化してください。
そして後々選んだことを後悔しないように、興味があるところは資料請求だけでなく、必ず見学会・オープン キャンパスなどに参加して、実際の雰囲気も体感してから選んでください。
くどくてスイマセン。。。
- 専門学校
- 規定の年数で卒業でき、最低限の教育を受けた証として専門士を得られる。関係者を招いての校内オーディションもある。
声優専門学校一覧【認可校のみ】 - スクール/教室
- ボイストレーニングだけのところから、演技を含めた育成実績の素晴らしいところもある。近年、声優プロダクションから外部委託され、業務提携という形式でスクール生を集めるところもある。
声優教室/スクール一覧 - 養成所
- 入所オーディション(審査)があり、在籍中にも養成所内で査定される。ふるいにかけてられていく上、在所期間も決まっている。直営プロダクション以外の事務所をめざすことはできない。
評判の声優養成所一覧
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