鼻うがいは、鼻腔内を洗浄する方法のことです。
風邪予防や花粉症対策などに効果的といわれており、「風邪」には敏感な「声」を商売道具とする声優・ナレーター・アナウンサーで鼻うがいを実践している方は多いです。
目次
ガラガラするうがいでも十分なのでは?
風邪やインフルエンザの予防にと推奨されている「喉をガラガラするうがい」だけでも、風邪発症は4割減少します(1)。
ただ、この方法では風邪予防には十分とはいえません。
というのも、風邪のウイルスや細菌が付着しやすいのは、毛のようなものがたくさん生えている鼻の奥の上咽頭といわれる部分で、「喉をガラガラするうがい」では上咽頭についた風邪のウイルスや細菌を洗い流すことができないからです。
鼻を洗浄すると、どんな効果はあるの?
「鼻うがい」は、医学的に効果が検証されたデータはありませんが、研究データはあります。
また、世界三大伝統医学のひとつであるアーユルヴェーダでは、穴という穴から毒素を浄化する方法の一つとしてとして「鼻うがい(ジャラネティ)」が伝わっています。
鼻うがいは春先によく注目されますが、鼻腔内についた余計なものを流せるので、以下のようなことにつながります。
鼻からの感染予防
風邪の始まりは、鼻や喉の粘膜でウイルスや細菌が増殖し、炎症を起こすことで始まります。なので、鼻の奥の粘膜をキレイにしておくと風邪の予防に効果的です。
免疫力を高める風邪をひかない体つくりも大切ですが、よく風邪をひく人は体質改善と合わせて試してみると良いでしょう。
鼻からのアレルギー対策
花粉症などのアレルギー性鼻炎の症状の改善にもつながります。
花粉症も、スギやヒノキなどの花粉が原因となってアレルギー症状を起こす病気なので、上咽頭についた花粉を除去することは効果的です(2)。
室内のハウスダスト対策として空気清浄機ともに、鼻うがいも習慣化するとよいでしょう。
市販されている鼻うがい専用洗浄液のコスト比較
今すぐにでも始めることができる鼻うがいで風邪予防を始めてみてはいかがでしょうか?市販でも鼻うがい専用洗浄液は販売されていますので、いくつか試してみるのも良いでしょう。
専用洗浄器具
(税込) |
専用洗浄液
(税込) |
1回当たりのコスト
(税込) |
|
---|---|---|---|
小林製薬 ハナノア | ~ 1,080円 | ~ 864円 | ~57.6円 |
東京鼻科学研究所 サーレS | ~4,2660円 | ~1,350円 | ~27円 |
東京鼻科学研究所 サーレMP60 | ~10,476円 | ~1,944円 | ~32.4円 |
東京鼻科学研究所 サーレMP180 | ~10,476円 | ~5,400円 | ~30円 |
ナサリン | ~2,492 円 | ~1,750円 | ~35円 |
市販のものは香料なども入っていたり、値段もそれなりにかかります。鼻うがい洗浄液は、とても簡単につくれますので、ご自分で作ってみても良いのではないでしょうか?
鼻うがいで雑菌やウィルスなどをしっかり洗い流そう!
ハナノアなど市販の鼻うがい薬を購入しなくてもできる、「鼻うがい」の方法を紹介します。
昔は生理食塩水を購入する方法もありましたが、薬事法の改正により処方箋がないと手に入れられなくなりましたので、生理食塩水と同じ0.9%の食塩水を自作し行います。
鼻うがいのやり方
私は朝起きたときに鼻うがいを実践しています。直接吸い込む方法などもありますが、500mlぐらいの水で済むネティポットから食塩水を流し込む方法を紹介します。
①煮沸消毒のため水を沸騰させてから、ぬるま湯(およそ30℃〜40℃)まで冷まします。
②500mlリットルのぬるま湯に対し、4.5gの食塩を溶かしてください。
計量計がない場合、ティースプーン1杯だと、だいたい調理用の計量スプーンの小さじで1杯になりますから、代用可能です。小さじ1は5ccで、塩の比重は1.1ですから、5.5gぐらいになりますよ。
③前かがみになり、顎を引き気味に。
④食塩水を流し込む方を上にするようにした向きから、顔を傾けてやや横向きに。
⑤ネティポットから食塩水を鼻の穴に自然と流し込む。
⑥鼻うがい中はゆっくりと口呼吸で、、逆の鼻の穴から自然と流れ出てくるようにしてください。
口を開けておかないと、口の方に水が流れてきます。
⑦最後に、残った食塩水をやさしく鼻をかむように出す。
⑧逆も行う。
慣れてきたら、口から食塩水を出してみましょう。ただし、くれぐれも食塩水は飲み込まないようにしてくださいね。
ちなみに、食塩そのものには殺菌性や防腐性はありません。あくまでもツーンと鼻に水が入ったような痛みを防ぐための、体液に近い浸透圧のするために必要なものです。
鼻うがいの注意点
・衛生上、食塩水は鼻うがいをするたびに作るようにしてください。
・やりすぎは鼻粘膜の機能を低下させるとの指摘もされていますから、鼻うがいの頻度は多くても1日2回程度にしてください(私は、週二回の朝だけです)。
どうしても鼻の奥がツーンとする痛みがある場合
鼻うがいを初めてする場合、慣れるまで少し痛いですが、以下のような工夫をすると効果的でしたので、最後に紹介しておきますね。
・ぬるま湯の温度を少し高めにする。
・食塩水の濃度を、少し濃い目にする。
・お風呂で体を温めてから鼻うがいをする。
・参考文献
1.京都大学保健管理センター 水うがいで風邪発症が4割減少 世界初の無作為化試験で実証2.Nasal lavage in pregnant women with seasonal allergic rhinitis: a randomized study.