スマホの普及によって、対応したアプリさえインストールすれば、読書をしたり勉強したりゲームをしたり、といったことが、いつでもどこでも小さな端末でできるようになりました。
滑舌の練習も例にもれず、いろいろな種類の滑舌チェック機能付きの練習アプリが出ています。
ここでは、アプリで滑舌練習をすることに意味があるの?その効果は?といった点に注目していきたいと思います。
目次
滑舌アプリの種類
滑舌チェック機能の付いたアプリにはどんな種類があるのか見ていきましょう。
滑舌チェッカー 無料版
表示されるお題をマイクに向かって話すと、滑舌ロイドおじさんという判定員が滑舌の良しあしを判定してくれます。
お題の文章例は、
「脳の酸欠による反射的な深呼吸がアクビ」
「ブディングに穴が開いたとぷりぷり怒るプリンス」
「この子なかなかカタカナ書けなかったな、泣かなかったかな?」
「新しい服が欲しいけどお金がないんですよね」
「そうです、私が変なおじさんです」
という、豆知識やことわざ、早口言葉、思わず笑ってしまうようなセリフなど、多彩なお題がそろっています。
ユーザーのレビューを見てみると、
「お題が面白い」
「友達とやったら盛り上がる」
「面白いけど採点はあまり精密ではない」
という意見が目立ちます。
アプリの注意書きとしても、判定はあまり正確ではないのでゲームとしてお楽しみくださいとありますので、滑舌の練習として使うものではないようです。
普段言わない台詞を言うことは脳にも表情筋にも刺激になりますから、あくまでゲーム感覚で、楽しみながら使う分には良いでしょう。
カツゼツ検定
「滑舌チェッカー」同様、表示される問題をマイクに向かって話し、判定されるというもの。
Lite盤では全3問、フルバージョンでは全10問出され、そのうち何問正しく発音できたかで、級が決まります。
「バスガス爆発」
「美術部と馬術部」
「サンクトペテルブルク」
「ガラパゴス携帯」
等、集中しないと舌を噛んでしまいそうな言葉が多めです。やはり判定は精密とは言い難いので、ゲーム感覚で楽しむものです。
声優滑舌アプリ
こちらも、出題された課題をスマホに向かって読み上げ、発声結果が表示されるというもの。
判定の際に自分の音(声)が漢字変換されるのですが、アクセントが間違っていると違う言葉と認識され、間違いと判定されます。
ただし、このアクセント判定も精密さに欠けますので、どこまで信用していいかはわかりません。
ユーザーレビューでも、
「全部カタカナで発音も合っているのに間違いになったこともある」
「変換されなかったり同音異義語に変換されると間違いになってしまう」
「面白いけど、滑舌を訓練するアプリではない」
「ゲームとしては面白い」
という評価が多く上がっていますので、やはり滑舌のトレーニングというよりはゲームとして楽しむアプリです。
Voice Checker
発声、発音、歌などの練習、ボイストレーニングを目的としたアプリで、音程のチェックをして音痴の克服や滑舌の上達を目指すものです。
録音、再生、一時停止などの機能で、自分の発音を何度も聞いて練習を積むことができます。使い方はごくシンプルで、ゲームとして楽しむ機能がない分、ストイックに自主練のサポートとして使うのに向いていそうです。
レビューでも、
「機能が多くない分迷わずに使えるのがいい」
「シンプルで使いやすい」
といった声が目立ちます。
LickThisApp
滑舌トレーニングとは異なりますが、舌を鍛えることができるアプリです。
舌の動きは子音を発音する際に大切な役割を持っています。滑舌が悪い原因が舌の動きにある場合、このアプリは結果として滑舌を向上させる訓練になり得ます。
使い方は、スマホの画面上に用意された鉛筆などを、舌で指示される方向に操作するというもの。画面を舐めることになりますから、スマホ画面をラップで巻いたりして保護するようにしましょう。
直接舐めてはいけません。
普段動かさない方向に舌をあちこちさせることになりますので、舌を鍛えるいいトレーニングになります。
首を動かさないで顔の位置を一定にして、舌だけを使って操作しないと舌のトレーニングにはなりませんので、注意しましょう。
滑舌アプリで滑舌は良くなる?
いろいろなアプリを調べた印象として、滑舌チェック機能が付いたアプリはゲームとして楽しむにはうってつけですが、滑舌を改善させるものではないようです。
なぜなら、チェック機能に精密さが欠けるからです。
普段から話していて噛んでしまうことが多いから練習しようかな、という程度でしたら、言い慣れない言葉を何度も繰り返して声に出すことによって、多少の改善はするかもしれません。
しかし、声優やナレーターという声の仕事を目指す人にとっては、この判定に頼りすぎると反対に滑舌向上の邪魔をしてしまう結果になることも懸念されます。
スマホのアプリを使って隙間時間に練習したいというなら、滑舌アプリよりは「Voice Checker」で自分の声を何度も確認して発声や発音をチェックしたり、「LickThisApp」で舌の筋力トレーニングをしたり、という練習に励んだ方が、結果的に滑舌の向上につながるのではないかと思います。
滑舌アプリはあくまでゲームとして、みんなでワイワイ楽しむものとして利用するのが、本来の目的にかなったもののようです。