器用な人の中には声優の真似ができる人が存在し、その声優になりきって様々なアニメのキャラクターを演じられる人がいます。
良い声をしており、一見するとそうした人であれば誰でも声優になれそうな印象を与えますが、実際のところはそう簡単になれるものではなく、真似をしていない人と比べてもその確率はあまり変わりません。
ただし持っている素質は確かなものである可能性が高く、あとは技術を高めて基礎的な能力を向上させていけば、夢をつかむことは十分に可能です。まずは現時点での実力を知るところから始めないといけません。
声真似が得意なことは才能
そもそも真似を成立させるには色々なことが必要です。まず自分の声がどのように相手に伝わっているかを知る点です。携帯電話の録音機能を使って自分の声を録音してみたことがある人が多くいますが、実際に聞いてみると思っていたものと全く違うなんて経験をした人が多いはずです。
自分では似ていると思っていても、他人が聞いたら全く似ていないということはよくあります。真似がうまい人はそのあたりのことを熟知しており、どうすれば似せることができるのかをかなり分析しています。そして試行錯誤を繰り返して声を似せていきます。
声優の真似が難しいのは口元などを見られない点です。誰かの口調に似せるためには喋っている様子を観察して、顔から似せていくと自然と似るようになります。
しかし声優はなかなかアテレコの風景を映像に残すことはしていないため、声の感じで判断したり、実際にやってみて似せていくしかありません。1つの人物に似せることは実に大変です。音の違いに関して敏感な人はそのあたりが上手です。
これらのことが才能であり、磨いていくことで声優として必要な能力をすでに得ている状態となり、夢をつかむことは十分に可能です。
同じ事務所に似た声は2人もいらない
ところが、声の仕事をしているといつまでも誰かに似せているわけにはいきません。自らの声がオリジナリティあふれるものでなければならず、それを極めていかないといけません。いわゆるアニメ声を持つ人は掃いて捨てるほど存在し、似たような声を持つ人はたくさんいます。
その中で勝ち残るには1つの声ではなく、いくつかの声を使い分けていくことも必要です。お手本にしたいのは、自分が今まで似せてきた人の仕事内容です。シックな声をしている分、クールな役や常識人のような役ばかりやっているケースが多いですがあえてその逆をやってみるのもおすすめです。
シックな声をしているのにぶっ飛んだキャラをやってみたり、可愛らしい声をしているのに女性らしさに欠けるキャラをこなしてみたりするうちに、そのユニークさに多くの大人が引っかかってくれます。その声ならその役は誰もがやるという感じでは目立てませんが、ミスマッチと思えるものにチャレンジしていくことで幅が広がっていきます。
有名な人は真面目な役もできればかなりぶっ飛んだ役もできるなどいわゆる芸達者な人が多いです。もちろん発声練習などの当たり前のことを疎かにしないことも必要ですが、常にチャレンジする気持ちが求められます。
妥協をしない姿勢が求められるため、そのあたりで苦悩する人も結構います。
声真似をしているのであれば、1人だけでなく複数の人物に似せてみたり、多くのキャラクターを会得したりして人の前で見せても恥ずかしくないような状況になれば可能性はグッと高まります。学ぶべきことは学び、そして挑戦すべきことに挑戦していく姿勢があれば誰でも、その仕事に就けるし長く生き残れるはずです。