モブ声優の仕事事情

モブとは文字通りモブキャラのような声優さんの事です。モブとは英語の“mob”が語源でドラマや映画で登場する、いわゆる「その他大勢」の出演者の事となります。

主役タレントの方々の後ろに映り込む群衆であったり、ほとんど顔は映らない通行人であったり、一瞬だけ俳優さんと言葉を交わすお店の人であったり、モブキャストは主演者よりも地味は存在である事は確かです。

モブ声優は声優業の登竜門

モブ声優とはアニメ版のそれであり、エンドクレジットを見るとしばしばレギュラーのキャラクターに加えて「女子学生A」や「刑事」や「村のお爺さん」などシンプルな役職と声優名が並んでいる事があります。それがまさしくモブ声優のお仕事であり、基本的はまだ駆け出しの若者が抜擢されます。

モブ声優は声優業の登竜門とも呼ばれており、確かに地味なお仕事であることは否めませんが、このお仕事を積み重ねる事で、人気声優へ上り詰めた人々は数多いです。

出演時間とセリフの数こそ少ないですが、ギャラは原則として発生します。若手声優さんの主な収入源であり、仕事量が少ないわりにまとまった金額が毎回ゲットできるため、有り体に言えば、なかなか割がいい仕事です。

映画やドラマのモブキャストのように、主役キャラと会話をするタイプのモブキャラのお仕事もあれば、作中で事件や事故が起きた時に群衆が騒いでいる様子、不特定多数の悲鳴や顔すら映らない野次馬の罵声など、色々なお仕事の内容があります。

モブ声優は無名の新人が請け負う事が多い、これはアニメファンの間でもよく知られている事です。

そのため、ファンの間では作中で一言、二言しか話していないモブでも、この声優さんの話し方が可愛い、あの無名キャラの声がおもろしい等とたとえ僅かな出演だったとしても、マニアの間では人気に火がつく事もしばしばです。

アニメによっては主演アニメキャラを演じている人気声優さんが時々モブキャラを担当する事があります。現場で手が空いていないので声優さんが自主的に担当した、音響監督の指名で抜擢された、アニメ作品の人気を出すためにあえて豪華な声優陣をモブキャラに大抜擢するなど、理由は様々です。

人気声優の方が声色をかえて、無名のキャラクターやただの通行人を演じている様子は、ある意味で大変貴重です。

人気声優の場合、エンドクレジットに表示されない事が多いです。既にメインキャラの方でエンドクレジットが表記されていると、別途モブキャラを演じても追加でエンドクレジットはされません。