誰しも最初は演技をするのが恥ずかしいと感じますが、声優を目指しているのに『セリフを言うのが恥ずかしい!』というままではダメです。

どんな設定でも、セリフに生命を吹き込み、役を活かすのが、プロの役目だからです。

ここでは、一流の演技につながる精神的開放を、演劇で実績のある「感情の解放」トレーニングから学んでいきましょう。

目次

精神的開放について

精神的開放とは、人前で異常緊張しないで、自由な状態が保てること意味する演劇用語です。

この精神的開放ができないとオーディションなどで悪戦苦闘するし、なにより人の心を動かす演技ができません。

人前で緊張しなくなる

あなたは自分の部屋に一人だけで、誰も観ていないとすれば、恥ずかしさも、照れも、気取ることもなく、自由に平気でなんでもやってのけるはずです。

つまり、精神的開放ができるようになると、人が観ていても自分一人であると信じれるようになるので、人前で緊張しなくなるのです。

人の心を動かす演技ができる

自分の中にある何かを活かすのが、演技の本質です。

日常の自分と切り離す人、日常の自分を知らない人、日常の自分を自覚できない人は、棒読みセリフしか吐けません。

逆に、それらができている人は、より多くの部分、自分を解っている人なので、生きたセリフを吐けます。

つまり、自分の心を開き、心に目を行くようにしなければ、表現の幅は広がらないのです。

「感情の解放」トレーニング

では、どうやって自分の感情を開放していけばいいのかを紹介していきます。

『公開の孤独』

一流スターを生み出した俳優学校として有名なニューヨークのアクターズスタジオで、人前であがらない方法として使われるのが、この『公開の孤独』です。

『公開の孤独』は、自分の五感である聴力・視覚・触覚・味覚・嗅覚の感度を上げ、意識を集中させていくレッスンです。

やり方は、ある状況を想像し、そこにある物や音に、自分の五感がどのように働くかを思い出すだけです。

例1

コーヒーを飲もうとする。まずコーヒーカップの色を思い浮かべ、そこにコーヒーを入れる。

色は、匂いは、コーヒーカップの肌触りは?

そして飲んでみる。

味は、そしてカップを叩いてみる。

例2

夏の強い太陽の下、海岸の浜辺に寝そべっていると想像する。

額をジリジリと焼く太陽の熱、背中に当たる熱い砂、波の音も聞こえてくる。

人の声、ジェットスキーのエンジンの音、海の家から聞こえる音楽、潮の匂い。

この練習を続けていると、次第にまわりの状態が気になくなり、かなりの雑音や人込みなど悪条件でも平気で集中できるようになります。

なにより、人の心の琴線に触れる演技をするために、表現者として自分自身の感度を上げる訓練になります。

風景を想像で描いてみよう

まわりの状態、まわりの人の気分・感情に無頓着で、自分のことの事のみ集中しすぎる人もあがりやすいです。

自分のやっていることと他人のすることの違いを観察する力を高める方法が、『風景を想像で描くこと』です。

形を正確に、色も塗るようにして、毎日10~20分間ぐらい欠かさずやってみて下さい。

実際やってみると、始めのうちは普段見慣れているものでも、形がほとんど思い出せず、色もでたらめになるはずです。

慣れてくると瞬時に観察できて、しかもハッキリ正確に記憶できるようになります。

まとめ

感情・声・身体とも、継続的な訓練が必要です。