「声優も裏声を使って演技するの?」と素朴な質問を頂いたので、ご紹介します。
目次
裏声も使って演技するよ
キャラクター・場面によって、ときどき裏声を使うときもあります。
有名なキャラクターをあげると、
- アニメ5期まで”ゲゲゲの鬼太郎”の”目玉のおやじ”を演じていた「故・田野中勇」さん。
- おじゃる丸でキスケを演じている「うえだゆうじ」さん。
- アンパンマンでバイキンマンを演じている「中尾隆聖」さん。
などは、裏声でキャラを演じられていますよね。また、場面では叫ぶ時などにも使っています。
声優が裏声をあまり使わない理由
地声の声幅内であればコントロールしやすいのですが、裏声でセリフとなると芯のあるしっかりした声を安定して出しにくいからです。
なので、裏声を使っても安定したセリフをあてている声優たちはスゴイんですよ。
裏声を鍛えているわけではない
そんな声優たちは、裏声を鍛えているわけではありません。
声帯は、筋肉ではなく粘膜のヒダだから鍛えようがないからです。そして、声帯で受け止めきれる息の量、強さには限りがあるのです。
思い通りに声をコントロールする呼吸技術
声作りの基礎で”呼気圧”が入っている声を身につけているからできることなのです。
この呼吸技術の基礎がしっかり身についていないと、高音になるほど声帯閉鎖強度や呼気量のみで声の高さを調整するため、音程が定まりにくくなりますし、声も拡がるため音程の不安定さが際立つようになります。
つまり、裏声は高音側ですから、声帯に負担になる上、安定した声にならないのでセリフで使えない声になるわけです。
例えば、
- 男性:低音域、中音域が出ずらい、鳴らない。
- 女性:地声が弱く、高音が裏声になりやすい。高音を出そうとすると喉がしまる感じがする。
といった方はが身についていない可能性が高いです。
この”呼気圧”を必要な時に一瞬で適切な量をかけるのは、コツをつかむのが意外と難しいです。なので、専門学校・スクール・養成所で習っても、レッスン時間内でキッチリ習得している人は意外と少ないです。
仕事で使える声の幅を広げるだけでなく、喉に負担をかけない意味でも大切なので、早めに習得しておいてください。
必要であれば、ワークショップへ行って身につけてくださいね。