ボイスオーバーという仕事を聞いたことはありますか?ナレーション系の仕事に興味がある人は知っているかもしれませんね。声優を目指すなら、吹き替えとボイスオーバーの違い、ボイスオーバー特有のちょっとしたコツなどを知っておいてくださいね。
目次
ボイスオーバーとは
ボイスオーバーは翻訳の音声で多いのですが、原音の声を小さな音量で残しながら、翻訳した音声を重ねる手段のこと。
テレビや映画でも用いられている手法です。ボイスオーバーはよく吹き替えの仕事と比較されます。
- 吹き替え
- 原音を全て替えてしまうことですから、原音の声は全く聞こえないように処理されます。日本でみる海外の映画の日本語版ではこの吹き替えの手法が一般的ですから、イメージしやすいかもしれません。
- ボイスオーバー
- ニュースのインタビューシーンで見たことがある人もいるでしょう。英語などの原音の声を流しながら、翻訳された日本語をかぶせていく手法です。
数十年前、海外映画の日本語版は、吹き替えではなくボイスオーバーの手法が使われていた時代もありましたが、聞き取りづらいとして現在はあまり使われなくなりました。
ただ原音の声を活かしてリアリティーを出したいニュースやインタビュー、海外の番組をそのまま放映する場合は、今でもこのボイスオーバーが採用されています。
ボイスオーバーは原稿読みが多く、実力が試される
ボイスオーバーは比較的原稿読みが得意とする人に向いている仕事です。
全てではありませんが、ボイスオーバーの仕事は当日原稿を渡され短時間で収録をすることが多く、ある程度の慣れが必要です。
吹き替えの仕事は事前にリハーサル用の原稿と映像を渡してもらえることが多く、家で練習をし万全の態勢で収録に臨めますので、その点ボイスオーバーは実力が試される仕事と言えるでしょう。
ボイスオーバーの仕事を依頼するディレクターは、ボイスオーバーを依頼する人にゆったりと構っている余裕が無く、ボイスオーバーをする映像を本番まで見せてくれないことも。事前準備がほとんどできず、ほぼいきなり本番の状態で、自分の実力を最大限に発揮しなければなりません。
ニュースなどの場合、制作側もできる限り早く収録を終わらせて30分後にはOAしなければいけない、という状況だったりと切羽詰まっていることも多く、それは仕方のないことなのです。
吹き替えとは違う、ボイスオーバーのちょっとしたコツ
ボイスオーバーは、原音の声を残さない吹き替えとは違いコツが必要です。
製作会社によっても要望が異なり、様々なケースがあります。吹き替え同様に映像ときっちり合わせて音声を重ねてほしいという場合と、原音の声を少し聞かせてから少し遅れ気味に音声を重ねていく場合があります。
また原音の声を最後にも聞かせたいという場合は、重ねる音声は早めに終わらせなければなりません。尺の中で納まっていれば良いと言われたのなら多少気楽かもしれませんが、ボイスオーバーをする際は、制作会社の意図をよくくみ取って収録をする必要があるのです。
またボイスオーバーの難しいところは、原稿を渡されてから収録までの短時間で、普通の声優の仕事と同じように、その原音の声を発している人が今どのような感情で何を伝えたいのか、をしっかりと把握しなければならないこと。
また何役ものボイスオーバーをしなければならない場合は、それぞれの人をどう演じるかを決めなければなりません。原稿を読みながらそれを瞬時に判断して、声を重ねていくことはコツが必要ですが、経験を重ねて習得できるように努力しましょう。
初めてボイスオーバーの仕事をする時や、まだ経験が浅い時は、短時間での勝負だ!と気合を入れて、吹き替えとは違うことを頭に入れておくだけでも結果は違ってくると思います。心がけだけでも仕上がりは変わりますので、頑張りましょう!
また自分を指名してもらうために心がけたいこと
短時間で実力を発揮しないと、制作会社に自分をアピールできずに次の仕事にも繋がりません。
ボイスオーバーの仕事は、短時間で終わることの多い仕事です。5分や10分で終わってしまうことも決して珍しいことではありません。
声の仕事は様々な場面でありますが、まだ無名の声優ならなかなか仕事の声がかかることもありません。「この人いい仕事してくれたな」「また一緒に仕事をしたいな」そう思ってもらえるように、短時間のやり取りの中でもしっかりとコミュニケーションを取ることを心がけましょう。
自分をアピールすることは営業の仕事に近いもので、苦手とする人も少なくありませんが、これが出来る人と出来ない人では、後にどれだけ声優として仕事をもらえるかが天と地ほどの差が出てきます。
まとめ
ボイスオーバーの仕事は、あなたが目指す声優の仕事とはもしかしたら異なるかもしれません。しかしこの経験を重ねることで声優としての実力も必ず上がります。ボイスオーバーという仕事があることを知り、ぜひ機会があれば積極的に挑戦してみてくださいね。