外画の吹き替えはアニメとは違い、ほとんどオーディションは行われません。
プロデューサーやディレクターなどが配役を決め、指名で仕事が決まることが多いのです。もちろん、オーディションが行われる場合もあります。
外画の吹き替えの仕事が入った場合、まずは事務所から収録日、作品名などの連絡が入ります。その後、台本が届きましたという連絡が来ますので、事務所へ台本を取りに行きましょう。
また外画にはリハVというものが付きます。
外画の吹き替えはもう出来上がっている映像に、日本語での芝居を入れていくことになりますね。この原音が入っているものがリハVなのです。
当然、向こうの役者さんの声もBGMも効果音も入っています。そして映像の上部か下部にはタイムコードが入っています。
自分のこのセリフは何分何秒なのか、タイムコードを見て、台本にしっかりメモを取っておきましょう。
外画の吹き替えの仕事の場合、向こうの役者さんの演技を参考にして、芝居を考えていきます。
この時、特に注意したいのがブレス(息)の場所です。
自分が声を当てる役者さんが、どこで息を吸っているのか、どこで吐いているのかに注意して台本をチェックしていきましょう。
また当日のスタジオでは片耳にイヤフォンをして原音を聞きながら収録が行われます。
1人に1つずつイヤフォンが配られるスタジオもあれば、マイクの近くに幾つかイヤフォンが置いてあって、それを共同で使うところもあります。
後者の場合は自分の出番がそろそろ来るな、というタイミングで音を立てずにそっとイヤフォンを付け、マイク前でセリフを言い、またそっと外して元に戻さなければなりません。
最初は少しドキドキするかもしれませんが、大丈夫です。
外画の吹き替えの現場は、長尺と呼ばれ、映画など上映時間の長いものが多くあります。
朝10時から収録が開始したのに、終わったのはてっぺん(深夜0時)を越えていたなんていうこともあります。
途中でもちろん休憩は入りますが、長時間の収録になりますので、途中で体調が悪くならないよう、前もって体調管理には気をつけましょう。
外画の吹き替えの現場も、30分くらい前にはスタジオに入るようにしましょう。
挨拶がもちろん本当に大切です。
だってまだ自分はみんなに覚えてもらっていないわけですから、きちんとどこの誰なのか名乗って、覚えてもらわなければなりません。
調整ブースのスタッフさんや監督、先輩たち。
今日一緒に仕事をする人にはしっかり挨拶をしましょう。