喋りのプロ、ナレーター。やはりプロになるためには専門の学校や養成所へ行くべき?でもお金もかかるし、どこに行ったらいいかもわからない。一体どんなことを教えてくれるの?
基礎的な訓練を積むために
一言でいうと養成所や専門学校での勉強は必要です。行かなくてもなれる人はいるかもしれませんが、それは本当の天才にしか無理です。
私自身も複数の養成所で何年か学び、さらに訓練を続けています。
また、アクセントや発声、滑舌といった基礎的な訓練は、学校でしか教えてくれません。プロになってからはなかなか修得しづらいものです。
そういった基礎を通らずに天才的な声質でポンとプロになってしまった方を知っていますが、プロになってからとても苦労されたようです。
現場ではそういった基礎的な指導はされません。仕事できているのですから当たり前ですよね。基礎ができていないなと思ったら、次は呼ばれない。
ただそれだけなのです。
誰でも話せるから難しい
ナレーターが扱うのは日本語です。日本人なら誰でも扱えるこの言語。でも、「正しい日本語」が使えているかどうかというと話はまた別です。私たち日本人はほぼ100パーセントの人が母国語として日本語を使っています。共通認識としての言語を持っていれば正しくなくても「なんとなく」で伝わってしまうのです。
日常生活の会話とナレーターの扱う「正しい日本語」とは別物だと考えてください。
セルフチェックしてみましょう
あなたの話している日本語は、
- ・正しいアクセントですか?
- ・明瞭な発音ができていますか?
- ・長い現原稿を読んでも一定の声量と音質をキープできていますか?
- ・なまりはありませんか?
どうでしょう?
また、自分では気づいていないけれど、上記にあてはまっている場合もあります。気になる人は一度専門家の人に見てもらいましょう。
東京出身者ほど意外と訛る
なまりは地方出身者の人だけの悩みではありません。東京出身の人も例外ではないのです。現場で採用されているアクセントは「三省堂」「NHK」の2種類のアクセント辞典に準拠しています。
そしてこのアクセント辞典の記載事項も時代に合わせてどんどん変わっていくのです。アクセント辞典は大きな書店なら大抵置いてあります。機会があったら気になる単語をひいてみてください。自分の喋っているのと違うアクセントが出てくるかもしれませんよ。
ちなみに、アクセント辞典は今は電子手帳にも入っているものも多いです。
自分にあった学びの場を探す
プロになるまでに基礎を磨き、プロになってからも衰えないように鍛え続ける。プロの野球選手が毎日走り込みや素振りを欠かさないように、喋りのプロだって毎日トレーニングは必須なのです。ただ素人が闇雲に訓練をしても、喉を痛めてしまったり、変な癖がついてしまいます。それを避けるためにもまずはきちんとしたプロの指導を受けましょう。
専門学校や養成所はこれから続く「プロになってからも自分で基礎をやるため」の道筋を示してくれる場所だと考えてください。指導の方法は人それぞれですから、なるべく自分の目で色んな場所を見て、可能なら体験授業を受けてみましょう。自分にあった学びの場を探すところからプロへの道は始まっています。