録音というと、従来ではレコーディングスタジオなどの、録音環境の整った場所でなければ行うことができませんでしたが、様々な録音ソフトやアプリなどが登場したことで、最近では自宅での録音「宅録」ができるようになりました。

録音も簡単に自宅のパソコンで行え、自分の部屋がスタジオ代わりになります。しかし、レコーディングスタジオのように音響設備や機材の整った場所でなければ、理想とする音を録ることができないのでは?と思う方も多くいることでしょう。ところが、最近ではナレーションも綺麗な音声で録音することが可能となっています。

そこで今回は、ナレーション宅録を行う際の必要最低限の機材と、その環境について詳しくご紹介します。必要のものとしては、大きく分けて7つあります。

録音機材

マイク

マイクがなければ録音することはできません。このマイクには2つのタイプがあり、1つは「ダイナミックマイク」と呼ばれるもので、もう1つは「コンデンサーマイク」と呼ばれるものです。

マイクの種類

ダイナミックマイク
ダイナミックマイクは、電源不要で使用でき、湿度にも強く丈夫です。比較的リーズナブルですが、感度が低いという特徴があります。ライブなどで使用されることが多いマイクです。
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは、電源が必要で、ダイナミックマイクよりも値段が高めです。感度が高いですが、衝撃や湿気には弱いという特徴があります。ラジオや歌の収録などに使用されることが多いマイクです。

自宅での録音に最適なのはコンデンサーマイクです。防音設備の整っていない自宅の部屋での使用は、周囲の騒音や雑音を拾っていしまうのでは?と心配される方もいるかと思いますが、録音環境を調整することでそれは解決されます。

料金は、家電量販店でだいたい9,000円~10,000円くらいです。どれを選んだら良いか分からない時には、店員さんに聞くと良いでしょう。ちなみに、商業用なら高額ですがスタジオでも使用されているU87Aiがいいでしょう。

AKG C214、RODE NT1-A、U87Ai ほか

マイクケーブル

マイクと録音機器をつなぐケーブルで、これをつなぐことで録音が可能となります。マイクによっては付属していることもあり、この場合は購入は不要です。

自宅における録音機器の設置状況に応じて、必要な長さのケーブルを購入すると良いでしょう。デスクの上に全ての機器を揃えて録音する場合には、なるべく短いケーブルがおすすめです。インターネット通販で2,000円前後で購入できます。

マイクスタンド

マイクを固定するためのスタンドです。選択するマイク(ダイナミックマイク・コンデンサーマイク)によってスタンドの形状が異なってくるため、購入する際にはきちんと確認することが必要です。デスクに座って録音する際には、ミニスタンドがおすすめです。家電量販店で2,500円前後で購入可能です。

マイクマウント

マイクを使用する際に、マイクスタンドにセットして使用するもので、デスクなどからの振動を、スタンドを通じてマイクに伝わるのを防ぐ役割をします。これを使用することで、振動によるノイズを軽減させることが可能です。インターネット通販で2,000円~3,000円程度で購入できます。

ポップガード

収録する際に、マイクに吐息や唾が掛からないようにするガードで、マイクの前に設置します。これを付けないで録音すると、音源にボンという音が入ってしまうことがあります。メーカーによって相性が良いものとそうでないものがあるので、店員さんに聞いてみると良いです。インターネット通販で1,000円~2,000円程度で購入できます。

オーディオインターフェース

マイクから送られた信号を、パソコンの内部に入力する際に必要となる機器です。設置位置としては、マイク・マイクケーブル・オーディオインターフェース・パソコンという順番になります。

パソコンだけでも録音・再生は可能ですが、パソコンだけでは性能が良くないため、再生すると「ザー」または「サー」という音が入りがちです。オーディオインターフェースはこうしたノイズを最小限に留め、性能の良いマイクの接続も可能にしてくれる、「パソコンのサウンド機能強化機器」とも言えます。家電量販店で13,000円前後で購入可能です。

Focusrite Scarlett Solo 2-in/2-out G2 ほか

音楽編集ソフト(DAWソフト)

ボイスレコーダーなどでは、機器本体の録音ボタンを押すことで録音ができますが、最近のようにパソコンを利用する場合には、音楽編集ソフトを使って録音をします。使用方法としては、ソフトをインストールし、ソフト上にある録音ボタンをクリックすることで録音が可能となります。

編集ソフトでは、収録した音声と共に入り込んでしまった雑音があった場合、その雑音だけを消すことができます。また、不要な部分を削除したり、より聞こえやすいよう音声の加工・編集なども行うことができます。綺麗な宅録が行えるもの、こうした機材と共に進化した音楽編集ソフトがあるからこそです。

ソフトの種類は様々あり、インターネット通販では2,500円~6,000円前後で購入することができます。

Cubase、Audacity、メロダイン ほか

録音環境

編集により削除できるとは言え、録音環境には最低限気を遣うことも大切です。車道に面していたり木造アパートはなるべく避け、録音時にはエアコンは止めましょう。

低コストで音声録音するコツはこちら

ただ商業用の音源として通用する物を録音するなら、小手先の環境を整えるのではなく、D60以上が確保できる収録ブース(防音室)を備えることが理想でしょうね。

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