ナレーションなどでは、正しい発音で伝える必要があります。そのためには、滑舌練習が大切です。しかし、人によっては滑舌練習をしても、上手に話せないことがあるようです。そんなときに注目して欲しいのが、舌の反りです。
今回は、そんな意外な盲点でもある舌の反りについてまとめました。
滑舌を練習してもうまく話せないわけとは?
基本的に声の仕事をする人は、どんな人も滑舌練習をしているはずです。「あえいうえおあお」や、「あめんぼあかいな」などが有名ですね。
「あえいうえおあお」という発声練習をする理由や上手に発音するポイントとは?
演劇に携わる人間なら必ず一度はやったことがあるのではないでしょうか。これらには、発声練習をする目的もありますが、滑舌をよくする効果もあります。どれだけ演技力が素晴らしくても、滑舌が悪いと何を言っているのか理解できません。特に声優さんは、声だけで演技しなければなりませんから、滑舌が悪いと致命的な欠点になりかねません。
ですので、できるだけはじめの方に、正しい滑舌で話す方法をマスターするべきなのです。しかし、人によってはどれだけ滑舌練習をしても上手に話せないことがあります。これは、人によって顔の作りが違っているからです。特に切端咬合(せったんこうごう)と呼ばれる作りの人は、正しい発音ができないと言われています。いくら練習しても、うまく話せないというお悩みを抱えているのなら、まずは切端咬合でないか確認してみましょう。
切端咬合とは?
切端咬合とは、前歯がかみ合わさってしまっている状態のことです。普通は、上の歯の後ろに下の歯がきます。これが、普通のかみ合わせです。しかし、一部の人は切端咬合になってしまったり、逆に前歯が下の歯より後ろにきてしまう反対咬合である可能性もあります。切端咬合だと、食べ物を上手に噛めなかったり、下顎がしゃくれたりすることがあります。また、滑舌が聞き取りづらいこともあるので、声の仕事をしようとしている人からすると、致命的ともいえる欠点なのです。
しかし、口腔外科へ行って治療することは可能です。歯列矯正をつけるだけで直せますので、そこまで特殊な手術は必要ありません。ですが、今すぐに治るわけではなく、数年かかることが普通です。声の仕事をしようとしている人が、数年立ってから練習をしはじめるのでは、かなり遅れてしまいます。なので、切端咬合だから諦めるのではなく、切端咬合だからこそ特殊な方法を取り入れて発音練習や滑舌練習をするべきなのです。その方法とは、舌の反りです。舌の反りをマスターすることによって、切端咬合の人でも問題なく発音できるようになります。
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舌の反りとは?
人が発音する際には、ただ口を開けるだけでは意味がありません。きちんと舌が動いてくれることによって、発音することができるのです。あまり日本語ではピンとこないかもしれませんが、英語ではたくさん舌の動きが使われています。例えば、「R」と「L」。日本人からすると、同じように聞こえますが、実は全く違った舌の使われ方が行われています。Rは、舌を折りたたむように発音し、Lは上顎に舌先をくっつけて発音します。
口の開きかたよりも、舌の動きを重視することで、はっきりとした発音を話すことはできます。そのため切端咬合の人にも同じことが言えます。なので、日本語を話すときは口の開きよりも舌の反りを重視してみてください。「あいうえお」全て別の位置に舌が動くはずです。こうしたことをマスターすることで、違和感なく音を正確に発することができます。
もし今、切端咬合のために声優や俳優を諦めているのなら、舌の反りのトレーニングを行ってみませんか?なかなか舌の反りの仕方を教えてくれる学校や教材はありませんし、1日2日でマスターできるものではありません。それこそ、来る日も来る日も努力しなければ、習得することは難しいでしょう。
しかし、そんな人でも、希望はあります。実際に、切端咬合の人でもプロとしてデビューして活躍している人はいるからです。まずは、歯医者へ行って歯列矯正を受け、自宅では必死に舌の反りのトレーニングを行ってみてください。こうすることで、きっと夢をつかむことはできるはずです。投げやりになる前に、自分ができることは全て行ってみましょう。
口の開き方を捨ててはいけない
舌の反りを重視するとはいえ、口の開き方の練習をおろそかにするのは間違っています。舌の反りのトレーニングを行った上で、正しい口の開き方を学ぶべきです。そうしないと、将来的に切端咬合が治った時に変な癖がついてしまうからです。そうなってしまうと、また一から学び直さなくてはなりません。
一度ついた癖を直すことも、二つのことを同時に意識するのは難しいですが、自分の夢と希望のために、努力することをやめないでください。あなたの苦労は、いつかきっと実を結ぶでしょう。