一年の労をねぎらう忘年会。

司会進行が必要な大きな会となると人数も多く、スケジュールも狂いがち。

司会役の腕の見せ所でもあります。

忘年会における司会進行の基本的な流れを追いながら、具体的な文例も交えて見ていきましょう。

司会進行の基本的な流れ

まずは下準備

忘年会の式次第(タイムスケジュール)は、基本的に以下のような流れになっています。

    1.開会の言葉(司会者自己紹介)
    2.上司挨拶
    3.乾杯
    4.歓談・会食
    5.余興
    6.手締め
    7.閉会の言葉

以上を踏まえ、大ざっぱにでも時間配分を行っておくとスムーズに進みます。

上司挨拶は、役職の高い方にお願いすることが一般的です。

乾杯前の話が長いとその後のスケジュールにも雰囲気にも影響が出ますので、言いにくいかもしれませんが、事前に挨拶は5分以内に留めてもらうよう、お願いしておくといいでしょう。

余興については、突然マイクを向けるのではなく、最初の数名はあらかじめお願いして準備をしておいてもらうと、場が盛り上がります。

きちんと事前準備をしておくことで、心の余裕も保てます。

開会の言葉→司会者自己紹介→上司挨拶

普段顔を合わせることの少ない人たちが一堂に会す大規模な忘年会の場合、開会の言葉を述べる際に司会者の自己紹介も必要です。

事前に文面を考えておき、だらだらと長くならないようにします。

一年の仕事に区切りを付け、お互いに「お疲れさま」という気持ちで臨むのが忘年会ですから、リラックスさせるような言葉で開会を告げましょう。

例「皆さん、お疲れさまでした。いよいよ○年も、残すところあとわずかとなりました。

ただいまから、営業本部の忘年会を始めさせていただきます。

司会進行役を務めさせていただきます、営業一課の○○と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

日ごろは営業で飛び回っている私たちの、全員で顔を合わせる数少ない機会です。

どうか最後までお楽しみください。

それでは、まずは△△部長にご挨拶をいただきます。部長、よろしくお願いいたします。」

挨拶を頂いた後は、しっかりとお礼の言葉を述べましょう。

ちなみに、「無礼講」とは宴会での挨拶の際よく聞かれる言葉ですが、これは上司が部下に向けて用いる言葉であって、役職に付かない社員が上司に向けて使う言葉ではありません。

現代の宴会で使われるこの言葉の意味は、そのほとんどが「今日は楽しんでほしい」程度であると考えられるので、真に受けるのは危険です。

乾杯→歓談・会食→余興

上司挨拶の後は、乾杯の発声です。

例「それでは、お待ちかねの乾杯に移りたいと思います。営業一課の□□課長、乾杯の発声をお願いいたします!」

乾杯の後は、司会者が率先して拍手を促しましょう。

ここから歓談・会食の時間に入ります。

しかし、司会者はゆっくりしてはいられません。

一息ついて歓談・会食の時間を20~30分ほど取った後、周囲の様子を見て、余興のスタートを告げましょう。

余興は芸達者に一芸を披露してもらったり、元気のいい若手社員にカラオケで勢いを付けてもらったり、予算があれば景品付きのビンゴゲームが盛り上がります。

来年の抱負を一言ずつインタビューして回るのもいいでしょう。

余興の時間が、単なるカラオケ大会にならないように注意が必要です。

こうなってしまうと時間のコントロールがうまくいかなくなる恐れがあります。

手締め→閉会の言葉

盛り上がった雰囲気を壊さないよう、手締めに持って行きます。

閉会の挨拶を上司に頼んでもいいですが、話は簡潔に、スパッと終わらせることのできるようお願いしておきましょう。

例「さて、宴もたけなわではございますが、残念ながらお開きの時間となりました。最後は一本締めで締めさせていただきたいと思います。営業二課の○○課長、音頭をお願いいたします。」
 
「以上で、○年営業本部の忘年会をお開きとさせていただきます。皆さん、ご参加いただき、ありがとうございました!」

まとめ

司会進行役は、出しゃばりすぎないのも大切です。参加者がその年最後の会社行事を気持ちよく過ごせるよう、式次第を活用し最後まで気を抜かずに務めましょう。