昨今、映像作品や動画映像を製作することは、比較的容易にできるようになりました。それに伴い映像や音声によるプロモーションはもはや一般的となっています。企業のCMやイベントのPR、新商品のプロモーションなど、様々な場面で、映像と音声が巧みに使われています。
そういった作品の中で、ナレーションは非常に重要な要素となります。
正確に原稿を読むだけでなく、視聴者の心を動かし得る役割を果たすのがナレーションなのです。
では、初めてナレーションをプロに頼みたいと思った時、どこを当たればよいでしょうか。
まずは専門のプロダクションへの発注を検討するかもしれません。
しかし、プロダクション経由で依頼しようとすると、小さな仕事であっても3万~10万円はかかるのが相場です。そこで、低予算でスキルのあるナレーションを希望する時検討してほしいのが、フリーランスのナレーターです。
自宅に録音環境を備えた宅録ナレーターに、事務所などを通さずに仕事を発注することができるのです。当然コストもかなり抑えられます。
では、格安フリーナレーターにナレーションの仕事を依頼する際に気を付けたいポイントをご紹介したいと思います。
使用機材のチェック
自宅での録音は、やはり専門のスタジオでの録音と比べれば、明確な音質の差があります。しかし自宅でも高品質マイクを備えていたり、自分でノイズ編集作業ができるナレーターであれば、クオリティーの高い音質が可能となるでしょう。
音質にこだわりたいのであれば、どんな宅録機材を持っているナレーターなのかは、事前に登録サイトなどでチェックしておくとよいでしょう。
ボイスサンプルの提出
フリーで活動する宅録ナレーターは、必ずボイスサンプルを提供していると思います。
自分の求めるレベルにあるナレーションなのかは、サンプルを聞いて確認することは必須でしょう。音質レベルだけでなく、ナレーション技術の確認、さらには、求めるイメージとのマッチングをサンプルで確かめてみましょう。
もし可能であれば、依頼したい原稿の一部をサンプル音声として提出してもらいましょう。
ナレーションの声の特徴や雰囲気一つで、作品の効果に影響を与えるものですから、よりわかりやすいイメージを入手した方が間違いない発注ができると思います。
ナレーター個人のイメージチェック
ナレーションは技術だけでなくイメージとのマッチングが大切です。フリーのナレーターを選ぶ時、その人となりを知るのも、イメージのミスマッチを防ぐ一つの方法です。
過去の実績や評価などは必ず事前にチェックしておきましょう。
フリーのナレーターが登録しているサイトでは、各ナレーターの実績や利用者による評価の項目が大抵ありますので見逃さないようにしましょう。
もしブログなどを開設している宅録ナレーターであれば、その人が書き表す文章にはその人の人間性が表れるものです。信頼して頼める人物か判断する材料となるでしょう。
また、更新する頻度などによって直近の活動状況もわかると思います。
専業ナレーターと副業ナレーターどちらがおすすめ?
事務所所属のナレーターに比べれば、フリーランスの人たちはおおむね格安とはなりますが、やはり相場の違いはそれぞれあります。そして、正当な実力や経歴のある方には、それ相応の正当な価格がつけられるものです。
この仕事にはどうしても間違いないスキルのある方を頼みたい、そう思ったら、安さで選んではいけないし、ある程度のコストは覚悟してお探しになることをおすすめします。
しかし、そうは言っても、ナレーションはほぼ100%人間のなせる技です。
その人のモチベーションや意気込み次第で依頼した仕事の満足度に差は出てくると思うのです。
たとえば、評判も高い有名なナレーターに、多忙なスケジュールの中頼んだ仕事と、副業でありながらナレーターの仕事に対する熱意のある方に依頼した仕事、どちらが満足できるかといったら、甲乙つけがたいのではないかと推測します。
本職のナレーターとして独立できなかった人の中にも、勉強熱心できちんとしたスキルの備わった方は少なくありません。
むしろそういう経歴の方が、ナレーションという仕事を依頼した時、1つ1つの仕事に対して真摯に向き合い、クライアントに対しても感謝の気持ちをこめて取り組んでくれる場合が多々あります。そういう人としての向き合い方次第で、格安のお値段以上の仕事をしてくれることがあります。
ダブルワークでのナレーターとなると、趣味程度なのかとマイナスイメージを持つ場合があるかと思いますが、フリーランスだからこそ、ダブルワークだからこそ、良い作品を作りたいという想いは強いものです。
格安でありながら、イメージを表現してくれるナレーターと出会いたい時は、肩書や経歴だけでなく、作品作りに対する熱意を共感できる人かを見極めることがポイントでしょう。そして依頼する側も、よいものを作りたいという熱意を伝えることを怠らず、交渉してみることが必要だと思います。
最後に
プロダクション所属のナレーターであれば、安定したクオリティーが期待できるでしょう。
しかし、低予算で良いものを作りたいという志を持つ人には、同じような志をもったフリーランスのプロが役に立つことを知っておいてほしいと思います。
お金をかければかけるほど良いものができると保証されているわけではありません。
教育を受け、努力を積みながら実力を開花させられなかった宅録ナレーターにはナレーションという仕事に対する愛があります。
ナレーションという仕事は心が表れるものだと常々思います。
いかにこちらの依頼に共感してくれるか、いいものを作りたいという気持ちに共感してくれるか。もらった仕事に対する愛情が反映されることでしょう。
そういう基準で、フリーのナレーターを探してみるといい出会いがあるはずです。