ナレーターのように声を使うお仕事に就きたいと考えるならば、
真っ先に歯並びのチェックが必要です。
ナレーターを目指す人の訓練として、
発声練習や滑舌トレーニングはよく知られています。
しかし、歯並びが悪くてはいくら発声練習や滑舌練習をしても、
お仕事をもらえるレベルに到達できない可能性があります。
真っ先に歯並びのチェックが必要なのは、
歯並びの治療には相当な時間が必要になるためです。
ケースによって治療期間は異なりますが、
大人の歯列矯正は年単位の期間を要する場合もあります。
そのため、声のお仕事に就きたいと思った時点で、
歯並びがきれいでない場合すぐに治療をはじめなければ、
間に合わない可能性もあります。
人間は声帯を震わせて音を出しますが、
直接発音にかかわるのは歯や舌、筋肉といった口の部分です
この部分に不具合があると、音が漏れるなど聞き取りにくい音になってしまいます。
例えば、前歯の隙間や出っ歯がある人は、きれいで正確な発音が難しくなります。
歯並びに影響されやすいのは、
サ行・タ行・ナ行・ラ行です。
舌を歯の裏にくっつけて発音する音が多いですね。
歯並びと同時にチェックしておきたいのが、
咬(か)み合わせです。
反対咬合の人は空気が漏れる傾向にあります。
一見、歯並びがきれいに見える人でも、
実はしっかりした咬(か)み合わせができておらず、
発音に影響が出ているケースもあります。
咬み合わせに不具合がある場合は、
多方面から治療を検討する必要が出てくることもあるので、
一般歯科ではなく専門医に相談することをおすすめします。
発音を踏まえた歯並びを考えた時、
どの程度の歯並びの不具合なら治療が必要かは、
自分で判断が難しいところです。
パッと見ただけでは分からない歯並びの不具合で、
日本語の発音に影響ないと感じている場合でも、
英語などの外国語の発音が上手くできないケースもあります。
よく引き合いに出されるのが、英語の「th」の発音です。
舌と歯の関係がうまく合っていないと、
この音はきれいに発音できません。
アメリカなどが日本より歯科矯正が盛んなのは、
この「th」の発音があるからだそうですよ。
ナレーターのお仕事では、どんな場面で英語が必要になるか分かりません。
ほんの一部分、単語一つでもプロとしてやるならば、
上手く発音できない音があることは致命傷になりかねません。
日本語の50音がきれいに発音できても、
油断は禁物です。
さらに怖いのは、歯並びは年とともに変化するということです。
大人でも歯肉炎や虫歯、親不知などのお口の中の環境の変化で、
歯並びは気づかないうちに微妙に変わっているそうです。
そのため、歯並びが変わってしまい以前はきれいに発音できていた音が、
できなくなってしまうこともあるというのです。
ナレーターを本気で目指すならば、
定期的に歯並びや咬(か)み合わせのチェックが大切ですね。