ナレーターは何といっても言葉が命です。
聞いている人に、あなたの言葉が伝わらなければ仕事になりません。
それ以前に、専門学校や養成所の入学試験に受からない可能性があります。

聞いている人にしっかり言葉を届けるには
表現力などの技術も重要ですが、
基礎となる滑舌が悪くてはナレーターにふさわしくありません。
声が良く、表現力もあり、さまざまなシチュエーションの原稿に対応できたとしても、
滑舌が悪くてはナレーターとして成功するのは難しいでしょう。

普段の会話で滑舌の悪さがはっきり分かるような場合は、
残念ながら問題外です。
あきらめたほうが良いでしょう。
機能性構音障害の可能性もあります。
ナレーターの滑舌は、
プロが聞いて問題ないほどの滑舌が求められています。

人と会話をするとき、相手の言葉を注意して聞いてみてください。
これまで滑舌が悪いと思わなかった人に、
特定の文字の発音が聞き取りにくいことを発見することがあるでしょう。
そうやって注意して人の言葉を聞いてみると、
発音の癖のようなものをもっている人が結構いるものです。
つまり、ナレーターを目指すあなたも、
何らかの発音の癖を持っている可能性があるのです。

自分で確認するには、録音が一番です。
録音をしながら、何でもよいので文章を読んでみましょう。
その後、気づいた点があれば、
それを直すようにもう一度読んで録音してみましょう。
直りましたか?

もし、滑舌に注意しても直らなかった場合、
耳鼻科や脳外科、精神科の受診が必要な場合があります。
滑舌トレーニングをしても直らなければ、
病院に行ってみることをおすすめします。

滑舌トレーニングは一音一音、はっきり発音するよう意識して行います。
専門学校などに通う前ならば、
インターネットなどで調べられる程度のトレーニングで大丈夫です。
ボイストレーニングや劇団の発声練習も参考になります。
基礎練習として50音をしっかり読み、
早口言葉や外郎売(ういろううり)の口上などをやってみましょう。
普段の会話が良い滑舌トレーニングになりますので、
発音を意識して会話をしてみてください。

滑舌は、発音にかかわる様々なものの影響を受けます。
口の周りの筋肉、舌、歯、呼吸などです。

まず、本気でナレーターになりたいのならば、
歯並びに注意してください。
歯並びは自分でもわかりやすいので、
病院にかかりやすい項目です。
昨今、ナレーターのメディアへの露出も増えていますので、
歯並びをきれいにしておくことは、
見た目という点からも大切です。

歯並びのほかには、
口の周りの筋肉を、普段から意識して動かしておくのもよいでしょう。
美容にも効果があるかもしれませんよ。
肺活量や腹筋も意識してみるとよいでしょう。

滑舌はこれまでの癖のようなものですから、
すぐに直すのは容易なことではありません。
しかし、デビュー前のオーディションや入学試験で、
必ず見られる部分ですので、今から対策をしておくことをおすすめします。