無事に声優事務所に所属できたからと言っても、配役オーディションを受けられるようになるまでも大変なのです。
その事務所には何人の人が所属していますか?
その中でどれくらいの人が仕事をしていますか?
あるアニメ作品の声優オーディションがあるとしましょう。
事務所にいる人全員がそのオーディションを受けられることはないのです。
1役につき1つの事務所から3~4人くらいがオーディションに行くことになります。
大手事務所で所属人数が多ければ、その中でも勝ち抜かなくては
オーディションにすら行けないのです。
以前、私が所属していたとある声優事務所の
マネージャーにこう言われたことがあります。
「事務所に入ったなら、自分と同じ系統の人たちの中で
上から3番めまでに入れ。でなきゃオーディションも回って来ないよ。
もう売れっ子の先輩に勝たなきゃならないんだよ」と。
オーディションの話が来た時、どの人にオーディションを振るのか
事務所だって所属の声優が役を取ってくれなくてはお金になりませんから、
なるべく受かりそうな人をオーディションに出しますよね。
マネージャーに顔すら知られていないのは・・・お話になりませんよね。
オーディションに参加が決まると、
大抵は作品の概要と自分の受けるキャラクター表、
セリフの書かれた紙が渡されます。
ただ、これだけでは情報が少なすぎるので、
原作がある場合は、原作を読んでイメージを作っておきましょう。
更に今回の作品の監督、音響監督のお名前も分かれば聞いて、
これまでにどんな作品を手がけてきたのか調べておきましょう。
そこにはいろんなヒントが隠されていますよ。
オーディション当日、会場には時間ごとに声優が呼ばれています。
出会った人にはきちんと「おはようございます。○●事務所の▲□です」と
挨拶をしましょう。
自分の番が来たら、所属先と名前、
受けるキャラクターを言って渡されていたセリフを演じます。
時折、別のものを読んでと追加でセリフを渡されたり、
ちょっとした質問がされたりしますので、それにも応えましょう。
結構あっという間に終わってしまいますので、
悔いの残らぬように、頭からやりきりましょう。
とある監督の話では、ブースに一歩入ってきた瞬間、
「おはようございます」という挨拶を聞いただけで、
「この子がいい」と何か決まるものがあったりするそうです。
何か残していくと、本役のメインキャストでは決まらなくても、
他の脇役で呼ばれることもありますよ。